Make組ブログ

Python、Webアプリや製品・サービス開発についてhirokikyが書きます。

ChromebookとWebサービスの10年後

これから若い人たちの間でChromebookが基礎知識になってくるとすると、10年後にはWeb経由で使えるアプリへのアドバンテージがより大きくなるのかなぁ、なんて思いました。

www.youtube.com

日本はすでにITの教育が遅れていると言えますけど、これからChromebook(やタブレット)が教育に取り入れられるのは間違いないでしょう。そうすると10年後には、ライトなPCやタブレット環境に慣れた若い人たちが社会へ出てきます。

そのときに重要になるのは、やはりWebや、モダンな使い心地のアプリではないでしょうか。 仕事の環境でも、たとえばfreeeを使うというのがより当たり前になりそうです。今までは「Webサービスに移行しよう」なんて力が必要でしたが、これからは「なんでWebにないの?」という感覚から始まるでしょう。 freeeを使いたくない会計士の人は今もいらっしゃると思いますが、基礎教育としてChromebookに触れる機会が多ければ変わってくることと思います。

僕自身はChromebookを使いませんが応援したいですね。 打算的な理由ですが、Chromebookが普及すれば、僕も好きなWebの世界が伸びてくれるかもしれません。さらにWeb前提のアプリやモダンなUIに慣れていてくれれば、事業者側も新しい挑戦がしやすくなります。事業者側としてブレーキになるのは、新しいUIに慣れてくれるかやWebにもっていく心理的なハードル、Web上でオープンな仕事をすることへの抵抗感をどうなくすかということです。そのWebらしい使い勝手に慣れた人が社会人として増えてくれると、Webサービスの人間としてはかなり大きなアドバンテージです。

大事なのは変わっていくことと、変わっていけることです。 こうして変化の種が着実に蒔かれているというのは嬉しいものです。

執筆:Kiyohara Hiroki (@hirokiky)この記事はShodoで執筆されました

DjangoCongress JP 2021が発表してくれる人を募集しています

DjangoCongress JP 2021で発表してくれる人を募集しています!

2021年7月3日(土曜日)にDjangoCongress JP 2021が開催されます。 そのイベント当日に、Djangoについて発表してくれる方を募集しています締切は5月12日(水曜日)です。

djangocongress.jp

今年もイベントの代表として頑張っていますので、応援いただけると嬉しいです。

イベントや発表の応募

Djangoや、Djangoに関する知見を共有する発表をご応募ください。質疑応答の時間を含んだ、40分間か30分間の枠を用意しています。DjangoCongress JP 2021は現時点でオンラインとオフラインの両方で開催する予定ですので、発表の応募時にどちらで登壇されるかを選べます。

オフラインでのイベント会場は長野駅から歩いて10分のところにありますので、都内からもちょっとした遠出くらいの気持ちでお越しいただけます。オフライン会場については新型コロナウィルスの感染拡大によっては中止となり、オンラインのみの開催に移行する可能性はあります(なるべくホテルのキャンセルができるような、早い段階でご連絡いたします)。

今年のDjangoCongressは4回目(という3回目)

2018年からDjangoCongress JPは毎年開催しておりまして、今回は4回目になります。 前回は残念ながら開催前の中止となってしまったので、今年はぜひ開催できると嬉しいですね。

とくに今年はDjango 3の長期サポートバージョンであるDjango 3.2がリリースされますので、移行のタイミングとしても知見が共有されていくと良いですね。

そろそろイベントとしても慣れてきたのもありますので、来年あたりは公式にDjangoConとして開催できると良いかもしれません。まぁ、それも新型コロナウィルスの感染状況やそれによるモチベーションの大きさも分からないところです。どうしても海外からの渡航を伴いますからね。

ともあれ

ともあれ、今年のDjangoCongress JPも楽しく有意義なものになると嬉しいなと思っていますので、ぜひDjangoに関する知見がある人は発表へ応募いただけると嬉しいです。下の公式ページからリンクしているフォームより応募ください。コロナ下で知見共有しにくかったですよね、すごく良い機会だと思いますのでぜひ!

djangocongress.jp

執筆:Kiyohara Hiroki (@hirokiky)この記事はShodoで執筆されました

TrelloのDescription欄だけでUIを超えた手触りが良すぎて学びしかない

TrelloのDescriptionが良くできすぎている

TrelloのUI(UX)が素晴らしすぎます。UIと言っても表面上のデザインだけでなくて、基本的な要素の手触りが良すぎます。

とくに上の写真にあるDescriptionがすごい。ここだけで作り込みがすごすぎてビックリする。 これはカード(Todoリストでいうタスク)の説明欄です。入力はtextareaででき、URLなどが入力されると表示される際はリンクになります。ただそれだけの要素ですよ。

ただそういう次元じゃないんですよね。たとえば以下の機能があります。

  • Descriptionが空のときは「Add a more detailled description...」を表示する
  • Descriptionが空のときはマウスホバーで背景色を濃くしてクリックを促す
  • Description内に描画する内容があるときは、 cursor: pointer にするだけで背景色は変わらない
  • Descriptionのクリックで編集に入る
  • でもDescriptionで描画されたaタグをクリックしても編集には入らない
  • さらにDescriptionで描画された内容をマウスドラッグ(選択)しても編集には入らない
  • 編集中に入力欄の外をクリックすれば編集から脱出する
  • 編集中にEscキーをタイプすれば編集から脱出する
  • 入力欄の外部クリック、Escキータイプで脱出したときのみ、入力に変更があれば編集を保持する
  • 編集途中の入力があれば、Descriptionの下部に入力中があると表示する
  • 編集中の状態を削除(Discard)できる
  • 編集中の下部にあるキャンセルボタンをクリックしたときは編集の保持をしない

知ってるものもあると思いますが、細かい所の制御まで完璧に気持ちよくできてるんですよ(Escとボタンクリックの違いなど)。

こんなtextareaと描画したHTMLを表示するだけの画面要素にこんなに作り込みをできるってすごすぎる。 aタグのクリックやドラッグのイベントを回避したり、Esc・欄外クリックと「キャンセル」ボタンクリックで動作を分けるとか、異常としか言いようのない作り込みです。Apple製品やiPhoneの通知欄などのUIを取り上げて「すげー!」って言っている人はたまにいますが、Webサービスという観点でTrelloは教材の宝庫です。

Descriptionクリック時の制御は、たとえばaタグにはblankを付けておけば回避できそうです。ドラッグされてるかどうかは window.getSelection().isCollapsetrue のときのみ編集に入るようにしてそうです。

無駄なこだわりと一蹴されそうではありますが、そうではないです。このDescriptionを触る機会は、他の雑多な機能を使うよりも圧倒的に多いはずです。だからこだわる価値が十分にあると言えます。 Trelloが成功したのはボードを表示する見た目によるものじゃないんですね。こういう当たり前に使う見えないところに心血を注いでるからこそ、使う人は「何かすごい便利だぞ」と感じられるわけです。

こういった「手触り」って何ていうんですかね?UIで議論されている領域を超えたものを感じますし、UXというにはボンヤリしすぎています。もちろんすごい人はこれをUI/UXの一環として取り扱うものと思いますが、僕はこの分野に名前がほしいです。UserTouchでUTとか、何でもいいですが、とにかく「ここの手触りにこだわろうよ!」というときの言葉が欲しいですね(あればぜひ教えてください)。

本当にTrelloは学びしかないです。みなさんもWebサービスに携わる人間であれば、ぜひTrelloを観察的な眼で見てみてください。どの要素を取り上げても学びしかないですよ。

いただいた反応

いまさら?

たしかに今さら感MAXです!

Descriptionって意外と書かない人もいるしアフォーダンスの改善は要りそう

たしかに。こういうタスクツールの説明ってどうしても書かないときありますよね(私も含めて)。 タスクの説明欄ってただの入力でしかないですが、うまい質問を出してあげて気持ちよく書けるなど工夫はできそうです。

GUIでの書式入力がないのが良くない

非エンジニアの人が多い環境ですとその課題もありますね。私はGUIツールバーがないほうがスッキリしていて好きですが、やはり求められるものです。 TrelloのDescriptionにも必要そうです。

WebHookがすぐ実行されるのが良くない

それはありますね。グラフィカルに動いたり、勝手に保存されるUIの場合はどのタイミングでHookが起こるかが分かりにくい問題はあります。 TrelloはとくにWebHookのタイミングが多くて、うるさくなりがちですね。

通知やWebHookも非常に重要なUI/UX部分だと私も思いますので、同意です。

UIや画面要素の研究をして

こういったようにWebサービスのUIや画面要素、手触りの研究をして、自身のサービスに活かしていきたいと思います。 Shodoでも調べたりした成果を反映して作っていますので、(まだまだ至らぬとこはたくさんですが)ぜひ興味ある人は見てみてください。

shodo.ink

この記事はShodo (https://shodo.ink) で執筆されました。

専用のオリジナルキャラと生きる。チャットとボイスが楽しめるサービス - サービスアイディアメモ

ちょっとしたアイディアのメモです。

現実には存在しないのでご注意ください。真面目に調べてないので僕のビジョン(妄想)垂れ流しです。

なぜ僕だけのキャラクターなのか

自分の理想であるキャラクターがいたら良いなと思ったことってないですかね。今いるVTuberとかゲームのアイドルも良いのですが、どうしても「推し」になってしまって僕のことを見てくれませんし、引退したりサービス終了したりすることもありますよね。

アイドルという文脈ではそれでも良いんですが、もっとパーソナライズしたものがあってもいいのになと思います。推しがいくら可愛くても僕にLINEしてくれることはないですし、お誕生日おめでとうとも言ってくれないわけですよ(ボイスの販売はあっても)。

海外には Cameo というサービスがあって、セレブリティが有料で個別のメッセージを送ってくれるというものです(日本のVTuberやアイドルもいずれやるでしょう)。とはいえアイドルはアイドルです。もっと「存在からパーソナライズされた何か」があってもいいと思います。

オリジナルキャラと共に生きる

そこでもういっそのこと、自分で理想のオリジナルキャラを作ってしまおうというアイディアです。 このサービスに登録すると、自分の理想像を入力することでAIがキャラクターを作ってくれます。それを元に、「日常の写真」としてプロの絵描きさんの絵が送られ、「ボイスチャット」として声優さんからのメッセージやリアルタイムのやり取りができます。日々のやり取りもライターさんを通してメッセージを交換したり、「デート」として短編小説が送られてきます。

究極的にはすべてAIでやりたいところですが、まぁ今のAIには限界があります。でも最近って絵の上手な人とか声の可愛い人がとても多いので、そういったセミプロっぽい人が裏で頑張ってくれます(仕事としてお金にもなるし、スキルアップにもなる)。

「推し」ができない人種はいる

世の中にあるアイドルやVTuberって、言ってしまえば疑似恋愛ではあるんですよね(僕もジョー力一に恋してるので)。でもアイドルの「推し」って正直ノリ切れないところがあるんですよ。それは文脈としてアイドルオタクをやったことがないので、全力で「推す」ことに抵抗感があるんです。今あるアイドルって要は「非日常」の楽しみであって、「日常としての疑似恋愛」っていう需要があると思っています。

そういう人ってかなり多いと思っていて、現実の恋愛にも静かに満たされたい人も多くいるわけですよ。そこで当サービスではそういった人にも合致した「静かに推せる」、「日常の疑似恋愛」が提供できるというわけです。そこが今あるVTuberやアイドルとの決定的な違いです。

具体的なサービス内容

まずサービス登録時のキャラクターメイクと、性格や趣味嗜好を設定します。そこから利用者の好みやNGなどもお聞きします。キャラクターメイク時はAIによってキャラクターが「誕生」するイベントが行われます。なぜAIによる誕生かというと、「人に作られた偶像」という懸念を払拭するためです。

あなたとキャラクターは新しく出会い、関係を築いていくという設定です。メッセンジャーアプリを通して1日に3通のやり取りができます。追加課金で増やせます。また月に1回は絵描きさんに書いてもらった「写真」が送られます。さらに誕生日などのイベントの際は声優さんによるボイスが送られます(声は自分で選ぶかお任せかを選択できます)。

追加の「写真」やボイス、通話などは追加課金で月次で指定回数までなら購入いただけます。超プレミア特典としてVR空間でデートすることもできます(1回3万円、初期費用10万円)。

ちなみにキャラクターやボイスの知的財産権は利用者にあり、個人利用の範囲で写真や作成したアバターは好きに使い回せます。

基本料金は月額3,800円、入会費は5万円です。追加課金要素は別途あります。

自分の恋人を作る時代がくる

いかがでしょうか、この「あなたの恋人を作って生きる」時代は。

僕はかなりありだなと思っています。運営こそ大変そうですが、需要というか提供できる価値はかなり大きそうです。 メッセージをやり取りできる恋愛シミュレーションゲームなんかも今すでにあるので、そういう意味でお客様の受け入れる地盤はできてるかなーと思ってます。

この記事はShodo (https://shodo.ink) で執筆されました。

Shodoのオープンベータ公開から3週間で300近いチームが作成されました。いただいた質問への回答や今後について

早いものでShodoのオープンベータ公開(2月2日火曜日)から3週間が経ちました。使ってみてくれた・今も使ってくれている皆さん、フィードバックのコメントや応援をくれた皆さん、ありがとうございます!

僕としてはもう半年くらい経ったような気分ですが、相対性理論のせいなのかまだ3週間しか経っていないようです。

この3週間で300個近いチームがShodoに作成されました。思った以上に反響をいただいて、嬉しいと同時にやる気がドッと高まっています。現状ですと1人か2人くらいの小規模なチームでご利用いただいている方がほとんどですので、300チームが作成されたと言うのはちょっと盛った言い方かもしれません(すいません!)。でも、すごいです。

ここで一旦、いただいた質問などにお答えしようかなと思います(個別には回答している内容です)。また、Shodoのシステムや不具合などについては修正してメール等でお答えしているので、ここではもう少し大きな話の回答をまとめようかなと思います。

Shodoって次は何がリリースされるの?

正直に言うと、これから正式リリースまでに華々しい大きな機能の追加はありません。

ただ、日々Shodoを利用していて嬉しい・便利な改善や機能追加をします

Shodoには使い心地の改善点がまだかなりあると感じていますので、今利用してくださっている方々が日々使いやすくなるような変更をします。他にもたとえば既存の機能の中で表示が増えたり、配信先や連携先が増えるようなリリースはしていきたいです。

内部的に大きな変更や、Shodoを利用する際のフローのようなものは見直していきたいので、目立たない大工事はあるかもしれません。

先日、Shodoに執筆の頑張りを見える化する表示を追加したところですが、この見える化についても好評であれば拡張していきたいなと思います。

いつ正式リリースされるの?

正直なところ、いつというのは分かりません

ですが「大きなリリース」はしない予定なので、1年はかからないという時間で考えています。 とにかく今、Shodoの当たり前のあり方に納得できるまではオープンベータとしてやります。

オープンベータってどれくらい信用していいの?何に使うのが良いの?

バックアップやデータの保護は行っておりますのでご安心ください

ですがたしかに保証するような体制はありませんので、社内の小さなプロジェクトからお試しいただくのが良いです。 一番オススメなのが社内でのブログやオウンドメディア用に原稿を執筆するときです。とくにはてなブログには連携機能がありますので、社内でコンテンツマーケティング用などにはてなブログを運用している場合はかなりオススメです。

大きな本の執筆については正直に言うと強くオススメしません。雑誌への寄稿文(1万字ほど)であればオススメできますが、本の版を重ねて書くようなものやB5で数百ページという著作にはオススメできません。理由としては全ページを横断した一括変換や見出しの抽出をしてツリー構造で表示する機能などに対応できていないからです。

この点については僕自身も欲しい機能なので、今後改善していければと思います。

正式版になると何が違うの?

動作保証やサポートブラウザ、データの保護・管理などに力を入れる予定です。現状でもセキュリティ保護やバックアップは行っておりますが、バックアップ期間の延長であったりクラウドの障害時にもなるべく稼働できるように整備します。また、Shodo内のデータをエクスポートできる機能など、中長期的にShodoを安心してお使いいただけるようにします。

またそれに伴って有料版の提供をする予定です。

有料版って出るの?どうなるの?いくらくらい?

有料版は想定しています。ですが無料での提供もしつつ、有料でも月額1000円からなど、かなり安価にします。もちろん初期費用はなしです。

どちらかというとShodoを使っていただきたいという思いが強いので、無料でもなるべくご利用いただけるようにしたいです。現状でも身銭を切っている状態ですが、Shodoを持続可能な範囲でお金をいただければなと思います。将来的には業界ごとに対応したAIを提供するなど、オプションを増やすことでお金をいただきつつも、最大限Shodoの良さや便利さに還元していきたいです。

AI校正が24時間使えるプランなど上位のプロプランも用意させてもらうかもしれません。というのも、AI校正用のサーバーを稼働させるために「そこそこ」お金がかかるので、値段が多少あがるのはご了承いただきたいです。

今現在ベータ版を利用していただいている方には、ご支援いただいたお返しとして有料プランの無料期間をご提供したいです。

自己資金だけで今はやっており、今後の資金繰りなども影響して正式に決まります(頑張ります!が、ちょっと相談とか誰かにしたいかも)。

おわりに

今後もShodoをよろしくお願いします。

かなり可能性を感じますし、実現したいことも山積みです。実際に自分が利用していてもかなり便利です。 もっともっと、執筆の世界を楽しくクリエイティブにできる場へとShodoを進化させていきます。

他にもご質問などあればお問い合わせからなんでも聞いてください!

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問い合わせって面倒だなというときは僕のTwitterに聞いてください!

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シンプルさを求めて主体性を失うジレンマ

ここ数回書いている、シリーズ「主体性」の雑記です。 またか、と思われる方すいません。今の僕が大切にしたいテーマなんです。

僕は音楽が好きでいて、「持たないシンプルさ」にも魅力を感じている人間です。 Spotifyなどのストリーミングサービスとは非常に相性が良いと感じ、スマートフォンにストリーミングと、ちょっと良いワイヤレスのスピーカーという(ミニマリスト的に典型的な)生活をしていました。

端的に言えばシンプルで音楽も楽しめるので素晴らしいです。聴きたい音楽や気になる音楽もほとんど何でも聴けますし、友人にオススメされたアルバムもノータイムで試せます。さらにSpotifyPodcastも聴けるので持たないながらの便利さというのは完璧です。

でもふとこのデジタルライフを享受していて、逆説的にシンプルさを失っているのではと思うようになりました。 何かレコメンドや新着、オススメといった「見えざる何か」に動かされていて、自分の主体性を失っているということです。シンプルさを求めてCDをなくしてストリーミングのみにしたのに、主体性という最も重要な「シンプルさ」を失っているのです。

「ではデジタルデトックスか」という答えを出すのも安直に感じます。持たないことやシンプルライフという概念が経典として確立してしまい、実際に重要だった実感としてのシンプルさを失っているのでは、と思っています。「自分という出発点から始める」という大前提が抜け落ちているように感じます。

僕は進歩主義的な指向なので、回帰を良しとする思想には賛同できませんが、何かレコメンドやソーシャル性を制限する指向が世界的にも生まれてくるかもしれません。さすがにレコードやCDが絶対的な正解だという時代錯誤はありえませんし、嗜好品を増やす気もありません。ですが「プライバシー」の次は、「レコメンドオフ」「ソーシャルオフ」というムーブメントもあり得るでしょう。僕もAI校正・相互レビューを提供するプラットフォームを作っていますが、使ってくれている人が主体である思想は大切に守りたいと思っています。

便利さやレコメンド、ソーシャルライフも大切にしつつ、今自分が楽しめること、人のためにできることを考えていこうと思います。

他にオススメの記事

最近何回か書いている「主体性」というテーマがあるなと自分で感じています。 おそらく代表取締役になって、自分の判断で物事を進めることがより重要になっているからだと思います。 そういう雑記が好きな方はぜひこちらもどうぞ。

blog.hirokiky.org

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飽きるなというのは、ただの他人の観点

飽きるって何なんでしょう。

まず前提として、飽きっぽさの違いは性格的にあります。刺激・柔軟指向か、安定・規範指向かの性格的な違いです。それはもう受け入れるしかないとして、ここでは「飽きる」ということについて考えます。前提として、どちらが良いかという話ではなく、僕は性質の話でありどちらでも良いと思います。

世の中では「三日坊主」というように飽きを揶揄する言葉がありますし、飽きるのは良くないという風潮がたしかにあります。でも、同じものを毎日ずっと食べていれば、何を食べるにしても栄養が偏って不健康になります。ずっと同じことをしていれば、それだけ他の楽しみや土地、文化を知る機会を失っているはずです。

ではなぜ「飽きることは良くない」という風潮があったり、そう感じるのでしょうか。それは「他から観測して、容易に想像できる相手が良い」と人間が考えるからです。「いつも同じ相手でいてほしい」「結果を期待したい」と人は思っているからです。飽きるか飽きないかなんて他人の視点でしかありません。 「いやいや、飽きっぽいと上達しないからですよ」と思われたかもしれませんが、それは「上達してほしいという他人としての自分」の観点だからではないでしょうか。自分をうまく制御できると思っている理性の声(他人の声)にすぎません。

世間的に「飽きてほしくない」と思われるのは、(自分を含めて)他人が期待する未来の結果を求めてるからです。人間は期待が大好きなので、しょうがないです。そして「飽きるのは良くない」と感じてしまうのは、その周りの期待する結果に応えられないという気持ちがあるからです。

僕は、飽きていいと思います。

飽きてはいけないのは、他人や論理の視点にすぎません。 一見飽きっぽい人のほうが、自分の道という意味では一番飽きずに生きられていると思います。

ただ、たしかに人の期待に長く応えたいときには、同じことを続けている必要があります。それは安心もですが、何より積み上げて初めて叶う何かを産むからです。人から信頼を得るのと、世の中の問題解決には長い時間を要します。それはたしかに仕方のないもので、そのためにたくさんの可能性を諦める必要がでてきます。 続けるためには、そういった「建設的な諦め」も必要です。「何かをする」という観点から「何かである」という観点へのシフトも必要です。この点については、また別の機会に考えるとします(ブログの購読をよろしくお願いします)。

ともかく、「飽きるか飽きないか」というのは、自分の理性を含めた他人の視点に過ぎないと考えました。 そして期待があるために、飽きないことが求められるということでした。

僕たちが何を成したくて、何をしたいのか、それを考えるのであれば「飽きるか飽きないか」なんて判断はもはや不要だと僕は思っています。

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