Make組ブログ

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DjangoCongress JP 2018ってイベントを開催した話

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2018年5月19日に、DjangoCongress JP 2018というイベントを開催しました。

djangocongress.jp

これはWebフレームワーク Django のカンファレンスです。 参加者は全部で100人ほど、発表者12人、スタッフ(合計で)15人ほどのイベントでした。 めちゃくちゃ楽しいイベントでした。もうね、最高。

Togetterも作ってくれたよー togetter.com

僕は代表として、キックスタートからこのイベントを皆で作っていました。 今まで日本でDjangoだけを扱った大きなカンファレンスはなかったので、これが初めてのイベントになったなと思っています。

スタッフは〜15人ほどで開催しました。準備には2017年の11月に初めたキックスタートから初めています。

django.connpass.com

もともとsalexkiddが2017年のPyConJPのパーティーで、「そういやDjangoでカンファレンスやんねーの」と言うので、「お、じゃぁやるか」となったのがこのDjangoCongress JPです。

(これを書いている今はDay 2のSprint Dayで、DjangoへのPRが1つまとまったので休憩がてらブログ記事を書いています)。

ここではイベント開催するときに感じたことや、「こうやったのは良かったなぁ」という話をします。 あまり時系列順に語るまとめをする気もないので、感じたことを書きたいと思います。

最小のイベントを作る、みんなで盛り上がる

このDjangoCongress JPは宇宙で初めて誕生するイベントです。 去年までのノウハウやスタッフ間の繋がりもそれほどない状態からスタートでした。 なので、まずは「最小でイベントを作ること」、「5年続く1年目になること」をコアの考えた方としてイベントを作っていきました。

まずスタッフ間の「コミュニティー」も無いに近い状態ですし、Djangoでイベントをやって需要があるのかすら分からない状態でした。 その状態で「アレをやろう」「イマドキのカンファレンスはこれは絶対ある」みたいなのを闇雲に追い求めると破綻するのは当たり前だと思います。

まず、キックオフの集まりから「こういうものを作ろう」というビジョン、温度感をスタッフの間で最初に共有できていたのは良かったと思います。 とくに「やらなくていいよね」を共有できたので、すごく小さい(やる作業が少ない)けど良いカンファレンスができたと思います。 僕たちは「他で聞けない、深くて面白い発表を聞きたい」、「場所さえアレばみんなで楽しめる」ということに注力していました。

例えばランチ提供も、パーティー(懇親会)提供もしません。 チュートリアルやハンズオン、企業スポンサーにブース出典、ポスタートーク、動画配信、同時通訳もありません。 その代わり、ランチは「ランチマップ」を用意して各人に自由に行ってもらったり工夫を凝らしていました(ランチマップ作ってくれた小俣さんありがとう)。

ただ、「他のイベント(とくにPyConJP)で採用されないようなDjangoの濃い、Django内でのバラエティーに富んだ発表をしよう」という一点は貫けて良かったです。 PyConJPはイベントとして規模が大きくなっていますし、データ系や機械学習系などPythonの幅もかなり広がっています。ディープな話(例えばDjangoのデータベースドライバーの実装の話や、GeoDjangoを使った地理空間アプリの話)を発表をする機会はどうしても減ってしまうと思います。

(開催するまでは不安でしたが)上記のものなかったけどなくても良いんだなぁと思いました。 同時通訳がなくても英語の発表も聞いてる人多かったですし、動画配信もなかったけど、その分スライドのアップロードやSNSでの投稿が多かったのでそれはそれでよかったと思います(スライドは https://djangocongress.jp/ にすべてまとまっていますよ!)。 あと、みんなブログとか書いて情報を広めてくださいね。それか、同じ発表内容で再演とかしてくださいね。

「無い効果」というのは面白いなと感じていて、例えば「動画配信がある」と思うと、たとえ参加してても「昼寝してて良いかな」と思ってしまう瞬間はあると思います。 「ブログに書かなくても動画あるしなぁ」とか、「メディア記事あるしなぁ」とか、「togetherとか公式の色々もあるし良いかなぁ」って言い訳ができちゃうわけですね。 でも今回はみんな会場でのその瞬間に集中してたと思います。

Twitter#djangocongress が日本のトレンドになったりもしてて、スタッフも参加者の人もみんなで盛り上げられて良かったなぁと思います。 オープニングで「みんなブログ書いてね!!スライドアップロードしてね!!ってSNSに書いてね!!」って共有したのも良かったのかな。 提供者が提供しすぎると、参加者がより参加者になっちゃうのかもしれない。それだと寂しいし、みんなで盛り上げていこうねーってほうが僕は好きかな。

やらない、という力

「やらない」を決めると色んな懸念や作業、連携や指示、担当割りもなくなるので一気に楽になると体感できました。 たぶん、今回のイベントでそれが一番大事だったと思う。 おかげでイベント当日にも余裕があって、スタッフも含めてとてもイベントを楽しめたと思う(僕は色んな発表も聞けたし、話もできたし、すごい楽しかったよ)。 今後もし何かやることを増やすにしても、お金で解決するほうを選ぶかなぁ。

代表としてやったこと

イベントの代表として色々やったけど、僕は流れとか勢いとか場を作るのが大事なんだなぁと思いました。 あんまり自分が「長」みたいになるのが好きじゃなくて、「座長」という呼び方もあえて使いませんでした(なんかね、僕の気持ち的にですが)。 立場として、窓口として、顔として「代表ですよ」以上の意味はない(し、必要ない)と思ってます。

今回は初めてのイベントだったし、Djangoのでかいイベントをやって需要があるかも分かりませんでした。でも確実にある気はしていました。 なので、まずは「やるよ」って言うことが一番僕の大事な仕事だったんじゃないかなぁと思います。「やりたいね」じゃなくて「やるよ」と言うこと。あとはスタッフみんなで頑張りました。スタッフの僕たち、頑張ったね~。

具体的なやったことはビジョンを共有したり、定期的に作業イベントを開催したり、作業するためのツールとかスラックとかを整備したり、進捗を見たり、担当や役割をお願いしたり、色々実務的なタスクをこなしたりしていました。当日は全体の動きを見たり、オープニングスピーチとクロージングスピーチをしたり、LTの司会者をしたりしていました。でも主には人の発表を聞いたり話したりしていたんで、参加者としてもかなり楽しみました。

コアのスタッフが運営に慣れてる人が多かったのでとても助かりました。 お互いに空気感がとても伝わりやすいからですね。「~しようよ」「~いらないよね」って言ったときに「え、なんでなんですか」って根本からの説明が少なくて済むから。 あと、みんな色んなイベントを開催したり参加してる人たちだから「あれは必須だよね」とか「まぁ、あれはなくてもぶっちゃけいいよね」って気持ちが深いとこで伝わっていたと思う。

でも今までそんなに繋がりも深くない同士だったけど、かなり深まったなぁと思う。Djangoの日本コミュニティーってあるの?みたいな感じはあったけど、今ならあるって言えるよね。少なくともスタッフ同士があれだけ一緒にいいもの作って時間を共有できたってだけでも良かったです。 それが僕が今回、一番作れて良かったことかなぁ。

身近なイベント

感想を聞いてみると「みんなの顔が見えた」「warm and like family event」みたいな感想を何人かに聞いた。 それはとても嬉しくて、規模を大きくしすぎないこと、行動規範を大切にすること、みんなで楽しむことは大事にしたかったので実現できて良かった。

僕は「参加者」と「提供者(スタッフ)」に分かれたくないと思ってた。どんなイベントでもそう思う。 だってスタッフってボランティアですよ。何十時間っていう労力を無償で提供しています。一番楽しめないといけないと思う。

イベントのオープニングで「みんなが参加者、みんながスタッフ」と話しました。 「SNSにたくさん書いてほしい。スライドをアップしてほしい。隣にいる人と話したり助け合ったりしてほしい」と伝えました。 みんなイベント中によく話してたしリラックスしてるようで良かったなと思います。とくにCybozu Barはリラックスできて良かったなぁ。

行動規範についてもたっぷり時間を使って話したのが良かったのか、ビデオ録画どストリーミングがないからその瞬間を大事にしたのか、そういうのもよかったのかもしれないです。 ただ、その場にあった空気感みたいなのが、何か良いなと思っていました。

今後のイベント

たぶんDjangoCongressは参加者300人を越えるイベントにはならないと思う。今回で120人くらい。150人+2,30人くらいでいい感じかなと思っています。 今回は「参加枠増やしてください」「参加できなくて残念です」という声もいただきました。申し訳ない気持ちになったし僕も謝っていた気がしますが、でも、だからって500人とか1000人のイベントにはしないと思います。501人目は常にいるとも思いますしね。 まぁ他人を変えようとするよりも、やりたいことがあるならイベントを別に作るのも素敵だと思います。協力はどんどんしますよ!! たとえば地方でもDjangoCongressをやってほしいなら、ぜひ、「やろうぜ」って言ってみてほしいです。

内容も、今年と同じように色々と提供しないけど、発表が面白くて、みんなで色々好きに話せるようにしたいです。 究極、場所と、人と、話のきっかけがあればそれでいいと思います。 会場提供のサイボウズさん、ありがとうございました。 発表者、スタッフ、参加者のみなさんもありがとう。楽しかった?僕は楽しかったです。 また、こういうのやりたいなー。