WEB+DB PRESS Vol. 122に「新バージョン登場! PythonによるWeb開発の基本 - はじめてのDjango」という記事を寄稿しました。
PythonでWebアプリケーションの開発を初めたい人に向けて「初めてがこれで良かった」と思えるように内容をまとめました。 4月24日(土曜日)に発売されます!予約はもう開始していますし、お店によっては先行販売されているそうです。こちらから購入いただけます:
本特集に誤りがありました。正誤表はこちらをご確認ください
サポートページ:WEB+DB PRESS Vol.122:|gihyo.jp … 技術評論社
どんな人に読んでほしいか
4月の特集というのもあって、これから社会人になる人は特に読んでほしいです。 前提としてPythonとUbuntu(Linux)の基本だけ知っている必要がありますが、なるべく幅広い人に読んでもらえるよう書いています。
- 学校でLinux環境は触ったことがあってPythonも少し知っている。仕事に活かすためPythonでのWebアプリ開発を知っていきたい
- 普段はデータ分析や機械学習でPythonを使っているので、自分の技術を活かしたWebアプリを作ってみたい
- 新入社員の人にDjangoについて軽く知っておいてほしいので、コンパクトにまとまっていて成果を感じられる教材が要る
たとえば「学校でC言語とJavaをちょっとやって、ターミナルは何となく動かせる」という人であれば、Pythonを少し学んでもらった後すぐに本特集を始められます。
何が学べるのか
ブログを作れます。
ちゃんとCSSを使ってデザインを適用した、カッコいいブログを作れます。
ブログの作り方を通して、Webについてや、WebフレームワークDjangoの役割、HTMLやCSSについて学べます。執筆にあたって「役割の違いと線引き」をかなり注意して書きましたので、どこからどこまでがDjangoなのか?ブラウザーが何をしているのか?といった混乱の少ないチュートリアルになっていると思います。
さらに今後学んでいく人に向けてコミュニティの紹介や、モダンなWebアプリの概要説明などもしています。 またDjango3や3.2の注目したいポイントをまとめていますので、最新情報を知りたい人にもお勧めします。
損はさせない気持ちで書いていますので、ぜひお手にとってくれると嬉しいです。
本特集の目次はこちら
特集2:新バージョン登場! PythonによるWeb開発の基本。はじめてのDjango
- 第1章:
- 第2章:
- ブログ記事をモデルに保存しよう
- データベース連携とDjango Adminによる管理サイト実装…… 清原 弘貴
- 第3章:
- ブログの画面をビューで作ろう
- テンプレートを使ったWebアプリケーションの基本UI…… 清原 弘貴
- 第4章:
- ブログをCSSでデザインしよう
- Bootstrapを組み込んでUIを使いやすくする…… 清原 弘貴
- 第5章:
- さらに学んでいくために
- 最新のDjango 3.2について注目の機能を紹介…… 清原 弘貴
特集で工夫した「UXの高いチュートリアル」
僕なりの初めての試みとして、UXの高いチュートリアルという目標を掲げました。
チュートリアルや研修、教材というのは、UX(ユーザー体験)があまり良くないように僕は感じています。 もちろん内容の網羅性や正確性のためという言い訳はできますが、初学者向けであれば、学習効率を高めるためにも「体験」は必要な要素だと考えました。
4月ということもあり「読まされる」という人も少なからずいるでしょう。そんな人たちが少しでも研修や勉強会を楽しめれば良いなと思い工夫した点です。
随所に工夫を凝らしてみましたので、そのいくつかを紹介させてください。
自分で作り、育てる体験
まず、読んでくれる人が体験できるように、コードを一つひとつ育てていくように説明しています。
最初に最適解を持ち出さずに、少し愚鈍な方法を試してもらい、そこから徐々にスマートな方法に置き換えていくというステップを踏んでいます。こうすることで「なぜその書き方をすべきか」という最終的な納得に、自分の知識を使って行き着くことができます。
ゲーム「ゼルダの伝説」シリーズでよくある、「最初は倒すのに苦労するんだけど、新しいアイテムを手に入れるとアッサリ倒せて快感」みたいな感覚を作れないかなと思って書きました。
投げかけと間を作る
また説明文の細かな点として、「これが答えです」とすぐに言わず、読者の人が一瞬考えられる「間」を用意してみました。
随所に「どうなるでしょうか」といった投げかけや「確認してみてください」というお願いをしています。こうすることで読んでいる人が試してみたり、一瞬考えられる隙間が生まれるかなと思っています。ぜひ読むだけでなく、考えたり、動かしたりと「体験」していただければと思います。
ただ執筆当初はこの投げかけが多すぎて「うるさっ!」って自分でなっちゃったので、かなり減らしてしまいました。 うまい投げかけの仕方は今後もうちょっとできるようになりたいです。
他にも色々
他にも語調を自分なりに好きになれそうな講師をイメージして書いてみたり、(機能や役割の線引きといった)ややこしい点を何度か繰り返し説明していたりと、色々な工夫を入れ込んでみました。ぜひ読んでみてください(少し実験的な部分もありますので、正直微妙だったという人は僕に教えてください)。
今後、チュートリアルや研修資料という教育の領域でも「UX」というワードが使われるようになれば僕は嬉しいです。 その一歩目として本特集ではUXの高いチュートリアルを目指して執筆しました。
こちらの本で説明されていることや、説明の雰囲気を踏襲しています。
既存のDjangoチュートリアルとの違いと立ち位置
まず分かりやすさという点で、Django本家のチュートリアルよりも親しみやすいと思います。題材がシンプルであったり、複雑なことを避けているので理解しやすいと思います。その分、網羅性は低くなりますが、Pythonを知っている人へのファーストステップとしては本特集のほうが良いと言えます。
Django Girlsチュートリアルも初心者向けとしてはかなり優れていますが、少し簡単で初心者向けすぎる場合もあります。本特集の内容ではターミナルやPythonの説明は知っている前提で進めていますので、より手短にDjangoやWeb(HTML/CSS)を学べます。その分、説明に文量を割いています。
立ち位置としては、DjangoGirlsチュートリアルよりは知っている人向けで、Django本家よりは詳しくない人向けです。 情報系や工学系の学校を出たばかりの4月の新人さんや、4月から新しいことをPythonで初めたい人などにちょうど良い難易度と内容で書いています。
謝辞
この特集を通して、改めてDjangoを教えるということができて嬉しかったです。チュートリアルのUXを考えられたのはとても良い機会になりました。さらに執筆にあたり、Shodoをドッグフーディングできたのも良かったです。本の執筆という点でShodoにある課題も発見できましたので、今後改善していきたいと思います(今の段階では、ブログやオウンドメディアの記事、プレスリリースの執筆により向いています)。
執筆の企画は去年の12月ごろに@atsuoishimotoさんにご紹介いただきました。本当にありがとうございます。 まだ自分の会社を起こしたばかりというのもあって、何か知っていただく機会があるのはとても助かります。
また編集の菊池さんにも本当にお世話になりました。ページ数や企画内容の調整、レビューや出版社さんとのやり取りをしていただきました。Shodoを使いこなして記事へのレビューも詳細にしていただいたのも嬉しかったです。
まとめ
4月24日(土曜日)にWEB+DB PRESS Vol.122がでます!
この特集だけでなく、特集1や、RDBMSを作る特集3もとても面白かったです。ぜひぜひ読んで欲しいです。特集3を執筆されたKOBAさんとは10年前くらいにCombConfというイベントでお会いして以来で、個人的にラララーって感じの共演です。
損はさせない気持ちで書きましたので、ぜひ読んでくれると嬉しいです。
Amazonからも予約・購入いただけます。
- 発売日: 2021/04/24
- メディア: Kindle版
執筆:Kiyohara Hiroki (@hirokiky) (この記事はShodoで執筆されました)