Make組ブログ

Python、Webアプリや製品・サービス開発についてhirokikyが書きます。

僕にはチック症があります。

僕のことをよく知っている人は、僕にチックがあると知っていると思います。 トゥレット症候群は、俗にいうチック症です。トゥレット障害とも言います(僕は"症候群"という語選びのほうが良いと思います)。 トゥレットは音声、運動チックの両方が1年以上続いた場合を言います。

僕は20年以上この性質と一緒に生きています(今、28歳なんで)。

ビリー・アイリッシュがトゥレットを公言していて、なんてすごいんだと救われたような気持ちになったので僕も書きたいなと思いました。 (まぁ実際は、書こうかなと思ってから長いこと考えて、何度も書き直しているのですが)

ぜひこの動画を見てください。スパイス・ガールズのくだりなども笑えるので。

Billie Eilish Gets Candid About Tourette Syndrome

www.youtube.com

僕の記憶にある一番最初のチックは、幼稚園のころにシャツの襟を引っ張る癖でした。そのせいで僕のシャツや体操着はすべて襟がデロデロに伸びていました。 嘘だと思う人は僕の親や幼稚園の先生に聴いてみてください。幼稚園の運動会のときに僕は締太鼓を演奏したのですが、演奏が終わったときに誰かが「今日は襟を引っ張らなかったね」と褒めてくれたのをよく覚えています。そのときは、とても複雑な気持ちでした。それを良いことだとこの人は思っていたんだなと。

そこから小学生のころに目を強くつぶるチックやお腹を引っ込ませるチックなどに変わっていきました。 ただ、チックによってはものすごく体調が悪くなるものもあります。たとえばお腹を引っ込ませるものなどは吐き気も催すので、かなり体調が悪くなります。

僕は今、ほほを釣り上げるチックがメインになっています。ここ10年以上続いていますがこれが一番安泰です。症状としても軽めなのかもしれません。 人に見られてもまぁそこまで突拍子もなくないですし、身体的なダメージも小さいからです。せいぜい表情筋が痛くなるくらいでしょうか。 他にも細かいものはたくさんあります。トゥレット(チック症)の人だと分かるのかも知れませんが、チックには流行りみたいなのがあったり、転移したりします。 特定の歯の裏を押すだとか、腹筋に力を入れるだとか、足の人差し指の上に親指を乗せて強く握るだとか。まぁ、本当に色々あります。

症状の強弱などにも波があって、ストレスを感じているときや疲れているときは出やすくなります。 あとは年齢とともに出やすくなっている気もしています(これはちょっと怖い)。 人前などではうまくコントロールしていますし、まったく意識しなくてもコントロールできているときも多いです。それも状況や相手、体調や心理状況によって変わります。 登壇しているときとか、歌っているとき、マイクに喋っているときとかはかなり収まるなど、特定の場面で落ち着いたりもあります。幼稚園のころ演奏した締太鼓も、こういった場面だったのでしょう。自分でもなぜなのかよくわかりません。

ここ最近トゥレット症候群について理解が広まっている気がします。昔よりも個性の一環として受け入れられているのでしょうか。 僕は性格面でも妙なこだわりがあったり、自分ですら色々と大変だなぁと思っているのですが、それも最近は受け入れられているようでありがたいです。

ただ、僕はとくに医師の診断を受けたいとは思っていません。 診断を受ける理由もとくにないですし、投薬して治療したいモチベーションもないので精神科には行ったことがありません (何か利点があればぜひ教えてください)。 あとそういう人のソーシャルグループみたいなのに行こうかなと昔思ったこともありましたが、他の人から転移しないかが心配で行くのをやめました。 これもわかりにくい問題ですが、人の動きとかをコピーする性質もあるので難しいものです。

結論を言うのはとても難しいです。周りの人にはあまり気にしないようにしてもらうのが一番良いかもしれません。 とはいえ別にその話をするなというわけでもなくて、ちゃんと信頼関係のある人にはチックについて聞かれても嫌な気持ちにはなりません。 ただ、性自認についてや宗教観と同じくらいパーソナルな話題であることは間違いありません。 僕にとっては、与えられた性格や才能、宗教観と同じように、自分自身の一部だからです。

追記

こんなTogetterを見つけました。この人も音声チックなんじゃないかなと思います(注意されて治そうとしたけど治らなかったとあるので)。 でもブコメとか見てもトゥレットについて書いてる人は1人くらいしかいなくて、社会的な認知の低さを感じました。

togetter.com