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匠メソッドでステークホルダーをこぼさない発想法 〜 使う人と買う人が違うときがある?

匠メソッドのステークホルダーモデルは、価値分析モデルや要求分析ツリーと比べると簡単に見られがちに思います。 ですが、 ステークホルダーをこぼすと、価値も要求もこぼれていきます 。 今日はステークホルダーを発想していく方法を紹介します。

罠なのは、ステークホルダーを考えるとき、その製品を直接使う人だけを想像しがちなことです。 例えばPythonのオンライン学習サイトである PyQ であれば、「Pythonを学習したい人」や「チームでPythonを教えたい人」などは簡単に想像できます。

  • PyQ
    • Pythonを学習したい人
    • チームでPythonを教えたい人

ここで終わってしまうと危険です。 発想を広げていきましょう。

ステップ1: 人のまとまりから発想する

使う人というよりも「人のまとまり」で想像してみましょう。 例えば「組織」という軸で考えて、上から掘り下げて考えていきましょう。

  • 個人
    • Pythonをこれから学びたい人
    • Pythonを知っているけど使いこなせてない人
    • ...
  • 組織
    • 会社
      • 研修会社
      • Pythonをこれから使いたい会社
      • Pythonを使っている会社
    • 学校
      • ゼミで教えたい人
      • 授業で教えたい人

「まとまり」が分かればそこに属する他の人も考えられます 。 発想を広げるために「どんな組織やまとまりがあるだろう」と考えてみましょう。 まとまりが分かれば、その中にいる人を考えていきましょう(細かくは次のステップで)。

他にも組織であれば「地域社会」や「コミュニティ」など考えられます。 製品に直接関係ないものであれば無理に書き出す必要はありません。

ステップ2: 組織にいる人は使う人だけでない

会社や組織の面白いところは、「使う人」と「買う人」が別れていることがよくあるところです。 以下のステークホルダーモデルには、「決算する人」という視点が書けています。

  • Pythonを使っている会社
    • Pythonを教える先輩
    • 新しく入社した人

「教える先輩」というのはどんな人でしょうか?入社2,3年目で、次に入社する人に技術を教える先輩が想像できます。

  • 「先輩」はなぜ「教えなきゃいけない」のでしょうか?
  • 誰が製品を導入するのでしょうか?

組織というものは複雑で色んな人が連携していますので、大切なステークホルダーをこぼしがちです。 そういった 人の日々や関係を想像してステークホルダーを埋めていきましょう

  • Pythonを使っている会社
    • 人事部長
    • チームリーダー(教育担当)
    • Pythonを教える先輩
    • 新しく入社した人

「教える先輩」は複数人いそうですが、他にも「教育担当」の人が考えられます。 その人は「教える」だけでなく「新しい人を働けるように成長させよう」という責務を持っていると考えられます。 極端に別人でなくても 「そういった役割を持っている」人がいればステークホルダーとして分離しておきましょう

ステークホルダーモデルにおいて「決済権を持っている人」や「統括して面倒を見ている人」の視点は抜けがち です。 特に僕は製品や使う人への指向がかなり強いので、他にいる人のことを忘れてしまいます。

ですがそのステークホルダーを見逃さないことで、例えば「教育担当者の人は結果をレポートで集計してほしい」のような要求に気づけます。 (もちろんどこにフォーカスするのかは後の価値分析モデルや要求分析ツリーで判断すれば良いです)。

そもそもなぜ気付けるのか

匠メソッドのような方法論や発想法も大事ですが、そもそも視点に気付けるのは「自分がよく理解しているから」こそです。 「決済する人は別の人だろう」と知っていること、つまり根本的に製品に関わる人の生活や悩み、文化を理解していることが大切だと僕は思います。 ステークホルダーをこぼさないようにしよう、こう発想していこうと紹介しましたが、根本的にお客様の悩みや自分が普段感じている問題、誰が悩んでいるのかの顔を思い浮かべられるようになっておきましょう。

そのためにも大切なのは、人に接することと、課題を聞くことだと思います。 価値は課題から生まれます。課題は人が持っています。 プログラミングや製品開発と言うとすごく固いイメージもありますが、実は誰よりも人を理解している必要があるのかもしれません。

PyQはこういったプロセスを通して「どんな人が製品に関わるのか」、「その人たちの悩みや要求は何なのか」を考えて製品を作っています。 PyQはまったく完璧な製品だとは思いませんが、日々、製品に関わる人に目を向けて作るようにしています。

pyq.jp