何かを開発するとき、いきなりエディターを立ち上げていませんか?
製品、サービスを作るときは要求、要件を分析してまとめてから作るのがオススメです。 そんなときに匠メソッドという要求開発の手法を、僕個人も BeProud の仕事でも使っています。
匠Method: 〜新たな価値観でプロジェクトをデザインするために〜
- 作者: 萩本順三
- 出版社/メーカー: 匠BusinessPlace出版
- 発売日: 2016/12/24
- メディア: Kindle版
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匠メソッドは製品やサービスを「なぜ作るべきなのか」、「何が求められているのか」という要求を、ニーズとシーズから探る手法です。 匠メソッドについて知りたい人はこの本を読んでみてください。 (僕は少し自分なりに変えて使っている部分もあるので、この記事内の図などが少し違うなというところがあっても気にしないでください)。
匠メソッドをするときのよくある悩み
匠メソッドはツールを限定しません。 なので、テキトウなドローツールや付箋紙などでもできます。 聞くところオススメされているのは Astah というツールを使うことで、 匠メソッドのプラグインなども提供されています 。
ですが、正直なところ、これらの方法でやる 問題はいくつかあります
- 紙などでやると、 中長期的にメンテしにくい。デジタル化できない
- Astahなどでは 同時編集できない 。ファシリテーターが図の編集も常にやる必要があってしんどい (Astahにも同時参照しつつ編集などの機能もあるようですが、匠メソッドのように全員が全員同じモデルを密に編集することはできないと思います)
- オンラインで同期できない
- ツールによってLinuxなどで使えないなど 環境依存 or インストールが面倒 だったりする
- いちいち スクショしないとWikiなどに貼れない
ここで僕は Cacoo をオススメします。 僕は最近作ってる個人プロジェクトで、Cacooで匠メソッドをやってみているんですがかなり良いです。 Cacooは匠メソッドにもかなり有用に使えます。
Cacooで匠メソッドをしよう
Cacooはブラウザーで動作するグラフのドローツールです。 以下の利点があります。
- 環境に依存しない
- オンラインで同期できる
- 同時編集できる
これは最of高と言わざるを得ません。 匠メソッドは複数人で共有して書いたり、中長期に渡ってメンテしつつ閲覧、編集することに意味があります。 ですので、誰でも常に見て、編集できることはすごく大切です (ただCacooの同時編集は、個人的に2ブラウザーで試した程度なので、何人もの人がオンライン越しに編集して匠メソッドがうまくいくかは分かりません)。
主に僕は「ステークホルダモデル」、「価値分析モデル」、「価値デザインモデル」と「要求分析ツリー」の4つを使います。 Cacooで4つの図をテンプレート的に書いてみたので見てみてください (仕事の内容が入っているものは見せられないので、テンプレートとして使っている図をお見せします)。
ステークホルダモデル
価値分析モデル
価値デザインモデル
要求分析ツリー
Cacooで共有
Cacooの図としても以下のリンクで共有しています。 閲覧のみは誰でもできるようにしています。
https://cacoo.com/diagrams/abZdFWFFiP3PYqED/C2575
テンプレートとして共有するのはどうすれば良いのか分からないですが。
新Cacooはとても良い
この要求分析ツリーなどは新しいCacooのUIで書いています。 新しいCacooを使うと匠メソッドが書きやすくなる良い点がたくさんあります
- Styleという色味のプリセットがあるので、(要求などに使う)四角形などの背景色、文字色などを一発で指定できて便利
- 指定済みのStyleを別のオブジェクトに適応できるので、価値分析モデルの「目的」からステークホルダーの要求にスタイルをコピーするとき便利
また全体的にとても使いやすくなりましたし、軽快に動作してとても良いです。
まとめ
匠メソッドをやっているけど Web同期できない 、 同時編集できない 、 ファイル形式を気にせずWebで編集、共有したい という悩みがある人は、 ぜひCacooでやってみるのが良いと思います。
僕もまだ手探りで試しているところなので、同時編集してみてうまく回ったかや、大規模なモデルでも動作したかなど教えてください。
匠メソッドはとても有効な手法ですが、書捨てで忘れてしまっては意味がありません。 プロジェクトのメンバーが原点に立ち返りながら、中長期的にみんなでメンテできるようにしていきましょう。