今日は、総合的な芸術、そして人の集まりというものの大切さを感じました。 ウィーンモダン展というものに先ほど行ってきましたのでその感想です。
展示会として、行くべき?
個人的な感想の前に答えておきます。
今この記事を読んでくれているあなたは、千代田線乃木坂駅に行けて、1600円と1時間30分という時間を使えますか? Yesで、かつ興味があれば難しく考えずに行ったほうが良いと思います。 平日の4時に仕事を少し早く切り上げて行きましたが空いていました(スケジュールなどはサイトを見てください)。
この展示会について平たく言うと:
美術品を眺めるというよりも、ブラタモリを見る感覚でも楽しめます。 僕は美術史の背景を教えてもらいながら美術品を見るのが好きなので良かったです。
まぁ、1パイント1600円するクラフトビール飲むなら、1杯だけ我慢して国立新美術館にいくのが良いんじゃないでしょうか。
個人的に良かったこと
エゴンシーレ
そもそも、私の個人的にはエゴンシーレの作品が見たかったのでこの展示会に行きました。 昔からシーレの作風や表現、人生などがとても好きなので地下鉄の広告でこの展示会を知ったときはウヒョウ!となりました。
展示会でもエゴンシーレの自画像が見れたことはとても良かったです。ただ印象としては「ひまわり」のほうが予想を超えてすごかったです。 シーレのエンピツ画や水彩の人物画も多数あり良かったです。が、「大量」というわけでは無いのはもう少し寂しい気持ちになりました。 まぁでも実際に生で見れたのは本当に良かったので、エゴンシーレ美術館やプラハ国立美術館に行けということでしょうね。
分離派ポスター
予想外、というか期待していない点でとても感銘を受けたのは分離派のポスターでした。
【ウィーン分離派展ポスターコレクション①】あなたはどれがお好きですか?RTで好きなポスターをお答えください! #ウィーンモダン展 #分離派ポスター pic.twitter.com/Quxxw3fOcc
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) February 20, 2019
とくに「作品だけでなくポスターでも芸術性を発揮しよう」という総合芸術が素晴らしいと思いました。 私も PyQ のようなWebサービスを作っているので、その考えにはとても共感します。 例えばマーケティング用のクリエイティブや文章も、Webアプリケーションという作品の一部と考えられます。 分離派のポスターもアテナを描いたり、タイポグラフィにこだっていたりと大変面白いです。
クリムト
今回の展示会の目玉はやはりクリムトでした。 人生で死ぬまでに見れて良かったなという気持ちです。
ですがこれも予想外で、クリムトのアテナの絵や分離派のポスターなどが印象的でした。 アテナの絵の「やっていくぞ!」という気概は本当に良かったです。 こういうやっていく気持ちを素直にぶつけていくのは大切だなと思いました。
また分離派のポスター用の下書きなども見れて良かったです。 タイポグラフィのためにガイドの線を引いていたり、修正液で文字を直したりしているのが見えました。 芸術の後ろには数多くの習作や練習、計算があるものなんでしょうね。
印象派ポスターの1つ目は検閲を受けて一部が隠されていて、当時の保守的な雰囲気を感じました。 そこも、「歴史から描く」というこの展示会として良かった点ですね。
人の集まりが何かを生むのか
印象派にしろサロンにしろ、芸術のジャンルを超えて交流することで新しいものが生まれたという背景も展示会で描写されていました。 個人的にはこの点が感動して、「まるで現代のIT勉強会だな」という風に感じました。 アテナイのアゴラもそうですが、やはり人が集まって交流する場所には新しいものや素晴らしいものが生まれるものなのかもしれません。
DjangoCongress JPやコミュニティ活動をしていると大変なときや「意味あるの?」と不安になることもあります。 ですが歴史に学ぶと、そういったコミュニティ活動や人との関わり、対話、議論というのはとても意義のあることなんでしょうね。
まとめ
ウィーンモダン展はとても良かったです。 ただの美術展というよりも、歴史資料展や文化の変化を伝える展覧会としてとても良かったです (どうでも良いですが「シューベルト」と聞いてイメージするあの肖像画の本物を見れたのは何気に良かったです)。 個人的にはエゴンシーレの作品に触れられて嬉しかったです(他に見れる良い場所を知ってるという人はぜひ教えてください)。
またそこからWebアプリケーション開発やコミュニティ活動、組織運営というものについて刺激を貰えました。
ぜひ時間があればウィーンモダン展に行ってみてはいかがでしょうか。 1時間30分と1600円に見合うものは得られると思います。