何か作りたい、生み出したいという気持ちはあるのにアイディアや発想が湧いてこないことがあると思います。
もっと発想が湧いてきたらいいのに、がむしゃらな思いつきじゃなくて効果的な発想ができたらいいのにと、私もよく悩んでいます。
もちろん本や手法に頼っただけで良いアイディアが湧いてくるわけではありません。 ビジネスや製品、サービスに関するノウハウ、本には、怪しい商売やうさんくさい方法論が多いのも事実です。
ですが1つの参考として、この本を知っておくのは損ではないと思います。
一個人が新しい何かを生み出していく時代
「0から1の発想術」という本を読んでみました。
この本は大前研一さんという人の本で、以下の主張のもと、0から1を生み出す助けになる11個の発想術が書かれています。
「これからの時代は好景気ってだけで食えるわけじゃない」
「一個人が新しい何かを生み出していく時代だ」
「0から1を創造する力が必要」
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/04/06
- メディア: 単行本
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発想のコツ集として読める本
この本は平たく言うと「発想のコツ集」とも言える本です。 ポイントは3点です。
1. 何かを生み出すときに必要な考え方を教えてくれる
単に技や手法、思考法でなく基本的な「新しい価値を生み出す」という考え方も書かれていました。
基礎編1の「戦略的自由度」の話では
- お客さまの価値を第一に考えること
- 第二に今ある方法(軸)以外を考えること
- 最後にその軸に沿った方法を考えること
が大切であると説かれています。
他にも基礎編4「固定費に対する貢献」、5「デジタル大陸時代の発想」、9「RTOCS」、11「構想」は、新しいものを生み出す上での基本的な考え方が説かれている印象でした。
このあたりの内容は匠メソッドや匠シンクにも通じるものがあると感じました。 何か製品やサービス、価値を生み出す際の基本になる考え方には普遍的で共通なものがあると感じます。
匠Method: 〜新たな価値観でプロジェクトをデザインするために〜
- 作者: 萩本順三
- 出版社/メーカー: 匠BusinessPlace出版
- 発売日: 2016/12/24
- メディア: Kindle版
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2. 発想に使える技集
また、 「こういう発想は使えるよ」 というような思考の切り口を紹介してくれている本でもあります。
基礎編3の「ニューコンビネーション」では既存の2製品、概念を組み合わせることで新しい発想を持とうという考え方が紹介されています。
例としては「携帯電話」と「ネットオークション」を合わせた「モバオク」などです
基礎編2「アービトラージ」、6「早送りの発想」、7「空いているものを有効利用する発想」、8「中間地点の発想」、10「すべてが意味することは何」は、発想術、思考の切り口として具体的な方法が紹介されています。
この考え方を元に、日常生活する中で発想してみるだけでも何かアイディアが湧いてきそうな気持ちになります。
3. 実践していく中での考え方と問題への対処法、ヒント
実際の例をあげての物語的な部分は強いですが、各事例から成功や失敗の原因が紹介されていました。
2017/08/07追記
さらに読み込んで、この「実践編」は11の発想術で発想できないときの発想術や基本になる考え方が書かれていると分かりました。
とくに「実践1. 感情移入」からは 自分自身がビジネスに惚れ込んで感情移入すれば発想は湧いてくる というメッセージが読み取れて、とても納得できました。
こう発想してみようという切り口やコツを知れる本
この本は「自由な発想を持っていこうよ」「こう考えれば良いんだよ」というようなメッセージを感じます。何か生み出そうとするときの自由さや発想の切り口を教えてくれます。
またその習慣をつけて、トレーニングしていくことで発想できるようになっていこう、という内容でした。 「このチャートを埋めていけばアイディアがでる」のような本ではなく、発想の切り口を与えてくれる本という印象です。
何かを生み出そうとすればするほど頭の中はこんがらがって、狭い視野や市場で考えてしまいがちです。 そういったときに、この本を読んで「立ち返った」自由な発想で新しい製品、サービスを考えるのが良いのではないでしょうか。
社内読書会で読んで良かった本
この本をBeProud社内で読書会 BPRA をして読み進めました。
参加者内で議論できたり、共通認識が作れたりと、単に本以外の学びが多かったです。
もともと1人でこの本を読んでいたときは「なんか微妙だなぁ」「それくらい僕も知ってるよ」という斜に構えた読み方になっていましたが、話し合ったり人の説明を聞く中で「あぁ、そういうメッセージなんだな」と深い理解に至れたかなと思います。
ReadForActionが良いのは本の良し悪しに関係なく、興味ある、学びたい分野についてを本をキッカケに共有できることにあると思います。 今回は読書会より前に読んだときに本から深く学べなかっただけに、参加者メンバーの言葉を通して強く学べて良かったなと思います。 BeProud社内読書会BPRAについて興味ある方は以下の記事を読んでみてください。
本好きな会社〜読書会による組織学習 - ビープラウド社長のブログ
合わせて読むと良さそうな本
この本はビジネスになる構想や発想を出していこうという、「戦略的な」「ビジネスな」視点が多い本でした (2017/08/07追記 この本の中でも実践編1 感情移入などはそういった視点が強い部分です)。
実際に製品やサービスを作る中では「関わる人の嬉しいを考えよう」のような、ハートな部分も深堀されている本も読んでみると良いかもしれません。 前述の 匠メソッド や MarketingForDelopers という本をオススメしたいです。
僕はユーザーの方やお客様への共感を持ったり、何とか助けになりたいという気持ちもとても大事だと考えています。
0から1の発想術から学べたこと
とはいえ 新しいものを作って世の中を良くしていこう、こう考えてみれば発想は湧いてくるんじゃないかな、という本として読んで良かった なと思います。
何か新しいものを作りたい、発想を持ちたい、煮詰まった頭をリセットして考え直したいという方にはオススメしたい一冊です 。
今後、僕たちとしてどう活かせるか
2017/08/07追記
読書会参加者のメンバーと「この本を読んで、今後どう活かせるか」という議論をしました。
BeProudという会社として新しい価値を提供するときの発想に活かせるか、今ある事業の中でもっと何か価値を提供できないかと議論しました。
また、ビジネスや企画に関する本も製品やサービスが生まれるロードマップの中に位置づけて捉えられるのではないかと話していました。 ロードマップの中で考えることで他の人に知見を共有する場合や、自分が何かを考えている時にどのレイヤーで思考しているかを考えられそうです。
ゲイン、ペインや悩み、不満 => アイディア => 企画、モデリング、分析、プロトタイプ => 設計、開発 => 運用、サポート、展開
僕達の製品である PyQ をより良くする発想や、悩みを解決できる製品、サービスづくりに今後も取り組んでいきたいと思います。 良いものを作って、世の中をもっと便利に楽しくしていきたいです。
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/04/06
- メディア: 単行本
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