プログラミングに興味がある人たち、どうか「自分はプログラミングに向いてない」と思わないでほしいです。
プログラミングスクール通ってるかどうかとかどうでもよくて、この年末年始にコード全く書いてない人はエンジニア向いてないんじゃないですかね、それぐらい好奇心が必要な職業だとおもうけど
— キュン / 今村雅幸 / ZOZO CTO (@kyuns) 2021年1月3日
たしかに「プログラミングスクールに通ってるから」良いスキルがあるわけではないし、スクールよりも好奇心のほうが重要なのは僕も同意です。 というか基本的な考え方はたぶんこのツイートをしてる方と、僕は同じだと思います。僕もうっかりこういうことを言うこともあります。
実際、本当に大好きで休日もプログラミングしてしまう人のほうが、スキル面で伸びが早いのも当然でしょう。 でも「休日にもプログラミングしてしまう」ほど好奇心を持って好きになるにも時間はかかると思います。
漠然とした好奇心があっても、「のめり込むほどやりたい」と思えるまでは学びが必要 だからです。 そして、もはや今のプログラミングに関する産業は単純なスキルで済まない広さがあります 。
「のめり込むほど好き」になれるのはまだ先のこと
何ごとも始めたては正直よく分からないものです。 自分に向いてるかどうかや、本当に好きなのかなんて分かりません。
僕自体も昔はそうで、最初プログラミングをした12歳のときも「面白いけど僕のイメージするビッグなことはどうすればできるのだろう」という虚無感があったのを覚えています。その12歳の年末年始はたぶんゲームをしてたと思います。
でもプログラミングでできることが増えて、作れるものが増えていくうちに「今作ってるものを早く完成させたい」、「もっと良いものを作りたい」という執着ができはじめました。当時はゲームを作るのがただ面白かったときでした。 今くらいずっとずっとのめり込むようになったのは、プログラミングでの繋がりができたり、成長の先が見えるようになった18歳や19歳になってからです。
僕もプログラミングを始めてから「年末年始にやるほど」になったのは6年を要しています。 まだプログラミングスクールに通ってる人や、触り始めて半年や1年の人は「向いてる向いてない」や「このすごそうな人が言うほど僕は好きじゃないな」など判断しないでください。
ただあなたが興味があってやりたいなら、まずやってみてください。いつやっても良いんです。 夢中になれたらラッキーってだけです。そのちょっとした気持ちを大事にしてください。 向いてる向いてないなんて正直どうでも良いんです。
プログラミングがキャリア化した功罪
ただ僕が子どものころ熱心にプログラミングしていたときはまだ牧歌的で、プログラミングでキャリアなど考えずにただ好きを追求できました。当時のITがすごいと言えば、僕が知っていたのはオンザエッヂ(というか堀江貴文)くらいで、まだ一般的には関係ない世界でした。
たぶん元のツイートをした方は、面接などをするときに「プログラミングスクールで学んでます(エヘン)」という人を見てきて、自分の感覚との違いにズレを感じたんでしょう。 プログラミングがキャリアとして認知されて色々な人が学ぶようになった一方、キャリアとして整備されたことで「仕事として」のみ興味を持つ人が増えたということです。
これは仕方のないことです。 気持ちとしては僕も「好奇心がある人間でないと」と思うことは正直多くあります。 でも先述したように、本当に好きになるタイミングは遅れてやってきます。 仕事のためだけに始めたけど、いつの間にか死ぬほど好きになった という人が出てくるかもしれません。 その可能性を僕は潰したくないんです。
むしろ、好奇心が持てなくても良い
むしろ、プログラミングへの好奇心が最終的に持てなくても良いです。
第一に、物事の好き嫌い、向き不向きはある程度まで習熟しないと分かりません。 これは世の中の残酷なところではありますが、向き不向きや好き嫌いなんて最初は分からないものなんです。
でももし向いていなかった、好きになれなかったとしても、良いんです。 なぜならキャリアとして十分成り立つのが今のソフトウェア産業だからです。
「いやプログラミングに真に興味ないやつと仕事したくない」と思うかもしれませんし、僕も半分同意です。 でもたとえば「プログラミングが分かるマーケター」や「プログラミングが分かるマネージャー/リーダー」はエグいほど重要です。むしろ先鋭化したプログラマーこそ、そういう人に支えられています。 もしそこまでプログラミングを好きになれなくても別スキルと掛け算で超重要人物になれます。ご安心ください。
そしてそもそも休日にプログラミングしない超優秀エンジニアはいます。文殊堂 とか映画ばっかり見てますよ。
ただもしあなたが「プログラミングのスターっぽくなってGAFAでガファガファしたい!でもプログラミングにはぶっちゃけ熱中してない(けど僕かっこいいでしょ、ドヤ)」と思うならあんまり向いてないです。あと、僕は友達になれそうにありません。
周りの意見とかどうでも良い
というか、件のツイートとかを見て一喜一憂する必要なんてないんですよ。
- プログラミングスクールから始めてすごいエンジニアになった人がいたら夢ありませんか?
- 休日にプログラミングしない超優秀なエンジニアいたら逆にカッコよくないっすか?
- 途中からマーケティングに興味を持ってプログラミングスキルを持ったまま転向したって人のほうがストーリー感じませんか?
プログラミングっていうのはもう「ピコピコ大好き少年・少女が大きくなりました」って時代じゃないと思うんですよ。 自分と同じ経緯や好奇心を他人に求めるって、すごい視野を狭める結果になると思うんですよね。 組織の多様性も失われるので、結果的に弱くなるとも思います。まだこういう感覚の人結構いるので危ない気がしています。
そもそも「雇われること」を前提に自分の時間を差しだすって僕はダサいと思ってますので、自分の気になることから突っ込んで行けばいいと思います。
最終的にプログラミングを好きになれなくても、あなたには好きに生きる自由があるんですよ。
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この記事はShodo (https://shodo.ink) で執筆されました。